「ひろしまね」の概要
 目標
 沿革
 定款
 活動履歴

中山間地域の現状

活動の方向性

主な活動分野
 地域づくり支援
 自治組織づくり支援
 小規模高齢化集落
 (限界集落)支援
 集落支援センター構想
 人材育成支援

ニューツーリズムの推進
 プログラムの開発
 『銀河鉄・道』の旅

地域学習テキスト
 江の川博物誌
 野外学習の計画
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その他

取材・視察等について


 
口羽をてごぉする会

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中国路元気づくり

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江の川流域連絡会


我聞塾
現在、中山間地域では人口減少と高齢化の進行により、地域活動が維持できず集落消滅につながるようないわゆる「限界集落」が増加しつつある。特に、中国地方の中山間地域では、全国に先行して集落の小規模化と高齢化が進み、65才以上の人口が占める割合(今後、高齢化率と呼ぶ)が50%を超え、集落自治の機能が低下し社会生活の維持が困難になっている、いわゆる「限界集落」が急速に増加している。
広島県と島根県の県境域にある集落は、高齢化率50%以上で世帯数20未満の集落が大多数を占め、こうした集落では、従来から行われてきた伝統的互助システムが維持不可能となり、集落単位の地域運営に不都合が生じるだけでなく、今までのような日常活動が非常に困難となっている。また、独居世帯の死亡や施設への入所、他出している家族に引き取られることなどによって空き家が急増しており、土地所有の不在化・空洞化が顕著となりつつある。小規模・高齢化した集落では、無住化した家屋や管理放棄された農地・山林などの風景がよく見られる。このように土地所有の不在化・空洞化は、農地の放棄化をさらに拡大させることになる。集落内に新しくつくられた改良道路も利用頻度が減少し、沿線には家庭ゴミ・産業廃棄物の不法投棄も見られ始めている。そして、世帯数の減少と高齢化により、地域の共同作業に対する労務提供、神社の祭典や葬式の運営、役場・農協などから要請される集落代表役員の選出などが極めて困難になっている。
まさに、中山間地域では確実に「人の空洞化」「土地の空洞化」「心の過疎」が進行し、「地域社会の空洞化」を招いているのである。

この「地域社会の空洞化」現象は、過疎化・高齢化する農山漁村地域特有の問題ではなく、やがて都市を中心とした広域自治体に吸収合併された町村の縁辺集落にも訪れると予測される。

こうした状況の中から見えてくる問題点や課題をまとめると、4つのカテゴリーに大別することができるだろう。
第1は高齢者世帯の生活不安解消の問題
第2は集落共同作業への参加の問題
第3は集落役員分担の問題
第4は農林地の維持管理や有害鳥獣対策の問題である。






小規模高齢化集落では、いったい何が限界化しているのか
地区よって異なるが、標準的な集落の活動としては、毎月行われる定例会(集金常会等)のほか、年1回の総会の開催、集落内の道路掃除や盆踊り会などの行事への出夫(労力提供)等がある。集落の活動を推進する役回りは集落ごとに若干の違いはあるものの、およそ20前後あり極めて多い。しかし、これらのほとんどは、集落運営に必要な役回り以外の行政をはじめとした外部機関から養成される役回りである。これらの役回りは、小規模集落であっても他の集落と同じように一律に割り当てられる。
こうした役回りを大きく分類すると、概ね3つに分けることができる。
第一は、行政機関、農業協同組合、森林組合、農業共済組合、社会福祉協議会等からの調査連絡事項の周知および取りまとめ、保険等の勧誘、集金、募金徴収、調査ものの収集返送など
第二は、生活関連の地域内活動、常会の開催、道路清掃活動、水道施設の管理、テレビ受信施設の管理など
第三は宗教行事に伴う護寺会・神社委員会の役回り(護持会費の徴収・神社費の徴収)、葬式行事への出夫、神社祭典への出夫などである。
かつては輪番で勤めていたが、独居・高齢のみの世帯の急増により最近では15戸あまりの集落の中でも5〜4人の者で継続的に担当せざるを得ない。葬式への出夫は本人が出れない場合は、他所から代理人(雇い賃は依頼者負担)を出すのが慣例となっている。
一般的に集落内の独居・高齢者のみの世帯が5割以上を占めると、こうした役回りを全ての世帯が平等に輪番で担当するのは困難になってくる。




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