人材育成
住民主導の地域づくりには、地域の課題を住民と共有しながら総合的にコーディネートする人材の存在が必要不可欠である。それの役割を担うのが地域マネージャーである。地域住民とのコミュニケーションを積極的に図り、地域と一体となった総合的な支援や企画立案、そして実施により地域再生の手助けを行う人材である。そのため地域マネージャーには、地域づくりに対する高い意欲と共に様々な能力を必要とし、アイデアや企画力、行動力を兼ね備えた資質を有する人材であることが望ましい。
こうした意欲や能力を同時に兼ね備えた人材を確保するのが理想であるが、それは不可能に近い。いろいろな技術をもった2〜3人の地域マネ-ジャ-が、それぞれの持ち味でこれらを満足するように構成するのも一つの方策である。「集落支援センター」を運営する上で、人件費が最も大きな経費となることは、優秀な人材を確保するためにはやむを得ない。
【資 質】
【知識・技術】
こうした人材を地域内ではもちろん、日本国内で求めることはかなり難しい。地域マネージャーの質と量の確保という課題は全国の中山間地域だけでなく、昭和30年代に建設された団地や空洞化した商店街など都市地域においても克服すべき共通の問題である。そのためには国家的課題としてきちんとした公的機関がオンジョブトレーニングを中心とした一定の研修を実施しながら人材養成し、海外青年協力隊のような任用形態で国内の多様な中間支援組織へ配置することが望まれる。できれば1年間の研修期間と2年間の現場活動というふうに、少なくとも3年くらいは活動に従事してもらう仕組みが必要と考えられる。これらは町村がそれぞれが単独で進めるのではなく、少なくとも県レベルくらいの範囲で取り組むことが必要であろう。
こうした政策が実現するまでには、まだまだ時間がかかると思われ、それまでは各地域が自前で人材養成することになる。総務省や農林水産省などの支援制度を活用し、地域外から募集した意欲ある若者を地域マネージャとして養成するプログラムを独自開発することは喫緊の課題である。